8月スタート、今日も暑い・・・。
7月、滑り込みで観た映画
アンゼルム
傷ついた世界の芸術家
ドイツの芸術家アンゼルム・キーファーのドキュメンタリー映画。監督は同じくドイツ人、ヴィム・ヴェンダース。
アンゼルムの作品や制作現場の様子などに加え、子供の頃のアンゼルムを少年が演じる(ヴィム・ヴェンダースの甥孫なんだって)という、ドキュメンタリー映画なのに劇作品のようでもあった。(アンゼルムの実の息子も青年期アンゼルム役で出ている)
オープニングで映し出される、白いドレスの作品群。山の中に点在するドレスは、人間の抜け殻みたい。それに朝日があたる。なんて美しい光景。
巨大な作品が多くて、物流倉庫のようなどでかい建物に並んだ作品を、自転車に乗って見て回るアンゼルム。制作現場も、アート作品を作っているというより工事現場のようだった。とにかく、そのスケールの大きさ、それを作り出すエネルギーに圧倒される。
アンゼルム・キーファー
1945年ドイツ生まれ
もともと法律を学んでいたが、1970年に絵画を学び、ドイツの芸術家ヨーゼフ・ボイスらに師事。
監督のビィム・ベンダースも1945年生まれの同じ年。お2人とも、第二次世界大戦が終わった年に生まれている。
日本同様ドイツも敗戦国。日本はアメリカだけの占領だけど、ドイツは米・英・仏・ソの4カ国に管理されたんだから、日本より複雑な歴史を辿ったんだよね。
幼少期に体験したことは、人の素地に深くかかわってくる。アンゼルムの作品も、戦争に深く関わっているんだろう。でもそれは、決して過去のことではない。今の世界をみればわかる。
私は戦争を知らない。
出来れば、一生知らないで済みたい。
だからこそ忘れてはいけない。
忘れたら、すぐそっちの方向に行くってこと。
今観れてよかった映画だった。
映像は美しく臨場感たっぷりで、そこに重ねられる、音楽、鳥や虫の声、人の息遣い。織り交ぜられるパウル・ツェランの詩、少年アンゼルムがみた景色。作品鑑賞とはまた違う、これ1本が芸術作品のような映画。
忙しい週だったけど、観に行ってよかった。
これは映画館で観る映画だね。
そして、いつか生で作品も観られますように。
「私は感じる追放された。」
ん!?何から?世界?国?
「止まらない。」
アンゼルムの創造は、まだまだ続きそう。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
7月のあさんぽ、1日だけ。
7月末、新しい紐とボク。
連日の猛暑つづきでグッタリ・・・。
身体労わりながら、8月を過ごそう。
労わりすぎて、何にもしたくない(~_~;)