11月スタート。
さて、9月末に行ってきた明治村つづき。
どの建物も興味深いけど「これは絶対観たい!」建物が、フランク・ロイド・ライト設計の
帝国ホテル
でした。
正門から入村して、1番遠くの5丁目にある帝国ホテル。
1番元気なうちに観ないとね♪
村営バスで5丁目へ
現在、明治村にあるのはフロント玄関部分だけ。本来はこの両脇に、シンメトリーに客室が建っていた。見た瞬間の印象は、なんだか物悲しい。ホテルというより、古い遺跡みたい。
フランク・ロイド・ライト
(1867年~1957年)
アメリカの建築家
『近代建築の3(4)大巨匠』のひとり
建築の云々はわかりません(^^;
ただ、名前は知っている。
観る前に、細かく調べないことにしています。わからないまま観て、どう感じるか?そこを体験したいから。
ひゃ~!!!でした。
意匠が細かくて細かくて。
『すごい』としか出てこなかった。
以下、帰ってから調べたことも混ぜてきます。
帝国ホテル2代目の建物。帝国ホテル7代目支配人だった林愛作(はやしあいさく)が、設計をライトに依頼。1919年(大正8年)に起工。ライトと林さんは、以前から日本の古美術を通して知り合いだったようです。
この建物、建具は木製、型枠は大谷石、表面にスダレレンガ。
このスダレレンガにも非常にこだわって、まずは土探しから始め、この製造の為だけに国内(常滑)に直営工場を作ったというから、びっくり(゚д゚)!
その時の工場が、後のINAX(現LIXIL)だとか!
ライトは内装にもこだわって、
『建築とインテイリアの調和』
を唱えていた。
壁画、彫刻、敷物、照明、食器にいたっても、ライトの美学で揃えられている。
このランプも、ライトデザイン。
この椅子もいい♪
ピーコックチェア
クラシックに見えるけど、皮革ではなくてビニール・レザーなんだって。当時のトレンド素材だったみたい。今っぽさも忘れない。
実際に座ってみることもできた♪座る人が美しく見えるデザインなんだって。座り心地もいい。美しく見えたかどうかは、確認できなかった(笑)
そんなこんなで、色んなことに妥協しないでいたら、費用も工期も大幅にオーバー。1922年、初代本館が失火で全焼したことで、林愛作が責任を取り支配人を解任。ライトも設計監理者から解任されてしまう。
その後は、ライトの弟子であった遠藤作が引き継いだ。ライトも林さんも、さぞや悔しかっただろうね。
その後完成するわけだけど、お披露目の日(1923年)に、なんと!
関東大震災
ただ、ライトによる基礎構造のため、わずかな被害で済んだよう。
そんな帝国ホテルも、高度経済成長の建物高層化に抗えず、1967年に取り壊し決定。保存のため多くの人が動いたようで、当時の内閣総理大臣・佐藤栄作氏もその一人だったとか。
費用も面でも、色々あったようです。そんな困難を乗り越えて、今こうして明治村でその姿を観ることができる。拝みたくなる気分です。
かつては、特別な人が集う華やかな場所だったのが、今はこうしてひっそりと静かに、ただここに存在している。
中にはカフェもあったけど、昼食の時間に近かったから入らなかった。次回行ったら、絶対ここでお茶する!
フランク・ロイド・ライトさん、この人の経歴もすざましい。こういうのを、波瀾万丈っていうんだろう。
後世に名を残す人って、ライトに限らず、『普通ここまでやらんだろう』ということをやる人なんだなって思った。エネルギーが半端ない。
ただ何事も1人では出来ない、そのエネルギーに動かされた、多くの影の人達の存在も感じる。
ライトさん、あなたのエネルギーは、今も感動を与えていますよ。
ありがとう。
☆☆ひとり言☆☆
それにしても、日本人ってすぐ壊すよね。歴史ある物を、保存して活用出来ないのかな?まあね、コストがかかるんだろうね。たとえ残ったとしても、すぐ横に陳腐なビルが建ったりする。なんとかならないもんかねぇ。